2013年12月6日金曜日

ぐらぐり君、sdn国際カンファレンスへ行く (その3)

サービスデザインネットワークの国際カンファレンス、sdnc13への参加記録。
その3は、カンファレンスの2日目について。
  • その1:2013/11/18 (月) メンバーズデー(会員向けのプレセッション)
  • その2:2013/11/19 (火) 1日目、キーノートスピーカーによる講演が中心
  • その3:2013/11/20 (水) 2日目、ワークショップとパラレルセッション
Day 2 Presentation & Workshop 


前日のキーノートがポスターに

がんばれグラグリ君

オムニチャネルの戦略的なデザインについての話

ブランドのDNAをどのようにつくり、顧客に開示するのか?

顧客の感情を12種類でとらえる

リアルな状況、道具とリアルなユーザーで
プロトタイピングを行う方法とは?

ビジネスアーキテクチャの取り組み
分断されている組織をどのように統合してまとめ上げていくのか?

小さなカンファレンスルームは一杯

サービスデザインを変えるモデルケースとは?

クロージング。お疲れ様でした。

1日目は概念的な話が多かったけれど、2日目は具体的な事例や失敗の話も。
慣れ親しんだ取り組みを捨てて新しい取り組みに変えることは、どこの国でも苦労している様子。結果が良いからといって、みんなが納得するわけではないようです。
コストの面でも、競合が気になるという面でも、組織の知財マネージメントという面でも、まだまだ課題は多い。

とは言いつつ、外部のサービスデザイナーに求められることは山のようにある。
チェンジメーカーとして、翻訳者として、見えないものを見るためのフラッシュライトの役割として、ツールやメソッドを提供するツールBOXの役割として。360度を客観的に見渡し、どこに行くのかを判断する航海士の役割として。


Closing Drinks

sdncに参加した日本人で乾杯!

ウェールズのアイコン的ビールBRAINS

BRAINS工場

和やかなウェールズ


サービスデザインネットワークの国際カンファレンス、sdnc13への参加記録。
  • その1:2013/11/18 (月) メンバーズデー(会員向けのプレセッション)
  • その2:2013/11/19 (火) 1日目、キーノートスピーカーによる講演が中心
  • その3:2013/11/20 (水) 2日目、ワークショップとパラレルセッション






ぐらぐり君、sdn国際カンファレンスへ行く (その2)

サービスデザインネットワークの国際カンファレンス、sdnc13への参加記録。
その2は、カンファレンスの1日目について。ピックアップした写真を中心に。



  • その1:2013/11/18 (月) メンバーズデー(会員向けのプレセッション)
  • その2:2013/11/19 (火) 1日目、キーノートスピーカーによる講演が中心
  • その3:2013/11/20 (水) 2日目、ワークショップとパラレルセッション


    Day 1 keynote 


    会場はウェールズ・ミレニアム・センター

    清々しい晴天の中、始まりました

    オペラ・ハウスのようなキレイな場所

    ぐらぐり君も参加

    スピーカーの顔が印刷されてる落書きカード「DOODLE,DIAGLAM or DIALOGUE 
    参加者の意見や感想をフィードバックするために配られた。


    1人20分程度のキーノート
    世界のサービスデザインの取り組み、考え方などが発表されました














    全体的に抽象度の高い話しが多く、事例を楽しみにしてきた人にとっては、少し物足りない内容だったようです。
    しかし、今回のカンファレンスのテーマは「TRANSFORMATION」。
    サービスデザインが何を変えるのか?ビジネスに、デザインに、何をもたらすのかという命題に対して、さまざまな分野の人たちが一同に解説をした様子は、別の意味でとても勉強になりました。コンサルティングの会社であっても、エンジンとIDEOのプレゼンテーションは180度違うものでした。一つ一つのフレームワークや、事例よりも、考え方に対する違いを、全体をとおして体感できたことが収穫だったと感じます。


    SDN Drinks Reception


    2車両連結のバスに乗って市街地へ移動

    小さな会場にすし詰め状態になった懇親会

    懇親会では、近い距離でいろんな人と話すことができました。
    プロデューサーやビジネスアーキテクトとの話では、デザイナーのように手が動く人と、どうつながるかも課題だと捉えられていて、とても新鮮でした。
    ビジネスで、デザイナーの技術も(思考だけじゃなく)見直されてる感じがして嬉しく感じました。
    その3)へつづく。

    ぐらぐり君、sdn国際カンファレンスへ行く (その1)


    サービスデザインネットワークの国際カンファレンス、sdnc13へ参加してきました。
    今年は、イギリスのお隣にあるウェールズの首都、カーディフで行われました。



  • その1:2013/11/18 (月) メンバーズデー(会員向けのプレセッション)
  • その2:2013/11/19 (火) 1日目、キーノートスピーカーによる講演が中心
  • その3:2013/11/20 (水) 2日目、ワークショップとパラレルセッション


    グラグり君もはじめてのUKへ。

    Member's day opening



    Birgit Magerさんからsdnの活動報告

    テーブルを囲みながら和やかなムードで


    Member's day session


    カンファレンスの前日 メンバーズデイでは、
    サービスデザインに関する課題を共有し、解決策を探りあうディスカッションが行われました。

    用意されたテーマに、会場からの意見を追加し整理


    テーマとして特定された5つ。(あと1つあったけど、メモがとれず)

    1. Get Specific(サービスデザインとは何か明確にする)
    • サービスデザインを定義するステージにきている。
    • それぞれのコンテクストや分野に合ったイノベーションとは?
    • デザインとビジネスを統合して考えた場合の位置づけは?
    2. Improve Service design education(サービスデザインの教育を促進させる)
    • ビジネス、デザイン、テクノロジー、働き方を統合して考えた時、サービスデザインに求められるリアルなビジネス、リアルな人物像とは?
    3. Demonstrate& Communicate ROI(サービスデザインでの利益ROIを示し、伝える)
    • より多くのケースで適用し、より広く分配するためには?
    • 成果と見返りをどう見せていくか?
    4. Braking down organizational barriers(組織の障壁をこえる)
    • 規則(分野ごとの決まり事)を超えてつながるには?
    5. Bridge the reality(実現させる)
    • ギャップを超えて実現させるには?

    ディスカッション用の記入フォーマットが用意されている

    すばらしいファシリテーターばかりが集まったすごいチーム!

    私たちのチームの回答

    わたしは Demonstrate &Communication ROI のテーブルに参加。
    沢山の課題がありましたが、CEOに、「I can't see a concrete outcome! 」と言われること、をなんとか解決できないか議論。
    その結果、プロセスと責任を共有すること、インパクトを測定することが大事という結論に。


    Night Reception @ PDR

    メンバーズデイのワークショップを終え、カーディフ メトロポリタン 大学の敷地内にあるPDR (National Centre for Product Design & Development Research) のオフィスへ移動。オフィスを見せてもらいながら、地ビールを飲み交流を深める前夜祭。

    会場の外でハンバーガーとホットドック

    PDRのモーションキャプチャー実演

    簡単に3Dデータが作成できる

    3Dプリンターと3D用ヒートカッターでつくったモデル

    解散後、ビンテージバスで市街地まで送ってもらいました

    その2)へつづく。



    ビジュアルで考えること(その3)

    シリーズ「ビジュアルで考えること」
    その1 なぜ必要か? > その2 何ができる? > その3 創造現場の今)



    先日、ブレインストーミングの内容を“ビジュアライズする”ことを目的としたワークショップが開催されました。第8回WebUX研究会 リアルタイムドキュメンテーション ワークショップ 〜創造現場における記録と解釈の可能性を探る〜 2013年11月30日)
    ブレストの結果を絵として書くのではなく、ブレストの過程や考え方のポイントを書き出すワークショップです。

    土曜日の昼間、13時から5時間にもわたるワークショップでしたが、さまざまな業界からクリエイター、デザイナー、プランナー、プログラマーなど、多くの方が集まりました。





    記録の仕方からファシリテーションを考える

    ワークショップでは1チームを2つに分け、半分はブレインストーミング、半分はその様子を観察しながら記録するという内容で実施されました。

    ブレインストーミングのノウハウよりも、そこで話し合われたポイントを掴みとる方法、テーマにフォーカスしつづける方法を、全チームが真剣に考え、試行錯誤する場となりました。



    あるチームは、メモをとる係とメモをボードに構造化する係を分担化し、その作業工程をチーム全員が見えるような場所づくりをしていきました。テーブルはV字型になりました。
    また、あるチームは、時間の流れに沿ってメモしていた記録ボードを途中で壊し、発話の内容でボード空間を再構成しなおすことで、主題を導き出しました。
    また、あるチームは、ブレストのメンバーの中に、グラフィックファシリテーターの役割を入れて、要所要所で、そのグラフィックを振り返りながら、対話を進めていきました。


    創造現場の課題と変化する意識

    なぜ参加者は、ここまで工夫することができたのか?
    話しを伺ってみると、普段からブレインストーミングなどの会議で、うまくいかない経験をされていることがわかりました。次のような課題が挙がります。

    ◯議論している内容/構造を客観的に把握できていない
    ◯議論が必要な時 ファシリテーター(または、そのような役割の人)がいない
    ◯ブレストの内容を即座にスケッチできる人は少ない(デザイナーでも)
    ◯言葉で納得しても、ぜんぜん違う内容として理解されることがある

    だからこそ、このように、ビジュアライズの方法やファシリテーションに興味を持つ人が増えているのだと思います。

    また、このような課題を意識する背景には、創造的プロセスが少しずつ変化していることが影響しているのではないかと思います。
    決まったものを正確につくるというやり方ではなく、つくりながら良いものを模索するやり方へと変わりつつある、創造プロセスの変化。時代に合わせて、変わらなくてはいけないと、現場レベルで気づきはじめているからではないでしょうか。

    イノベーティブな創造プロセスでは、「ゴールを決めず」「直感を大事にし」「多様なメンバーで」行うことが良いと言われています。
    しかしそれは、「暗闇の中で」「一瞬のきらめきを」「価値観の異なるメンバー」と掴みとることでもあります。




    ◯ゴールを決めずに暗闇の中を模索するからこそ、これまでの経緯を客観的に把握したい
    ◯直感的にやってくるアイデアだからこそ、その一瞬を逃さず掴みたい
    ◯多様なメンバーで語り合うからこそ、言葉の意味を確実に理解したい


    だからこそ、ビジュアライズが必要になってきているのです。






    シリーズ「ビジュアルで考えること」
    その1 なぜ必要か? > その2 何ができる? > その3 創造現場の今)